長崎県出身。公立短大を卒業後、大手情報誌出版会社へ入社。住宅情報誌の企画・営業・編集に約10年間従事。
その後福岡市近郊のハウスビルダーに転職、不動産売買・事業用建築物の企画営業・個人住宅建築営業・宅地開発等の業務に約9年間従事。
一級建築士事務所、建築コンサル会社を経て、office ココロコ.を開設。
・宅地建物取引主任者
・公認不動産コンサルティングマスター
・相続診断士
人が安心して心豊かに老い てゆける社会の実現のために、住まいの側面からその一端を担いたいと2014年5月にoffice ココロコ.を開設しました。
ココロコ.という屋号は、心+loco(ラテン語:居場所)。
心豊かに暮らせる “loco”を一緒に探し、創りたい。心を置いておける拠り所になる“loco”でありたい。
という思いを込めています。
短大卒業後、情報誌出版会社で、住宅情報誌の企画営業という仕事に10年以上携わっていました。
そこでは、消費者と事業者をつなぐ情報発信はもちろん、不動産市場の調査・分析を通して、広い視野で客観的に業界を見つめていました。
その後、福岡の地元に根ざした工務店に転職し、一人ひとりの消費者と向き合う現場を経験しました。
不動産を売る人、買う人、家を建てる人、貸す人、借りる人、様々な思いと事情をもった人たちとの関わりを通じて、住まいとは、暮らすとは、というテーマに真剣に向き合ってきました。
この20年の間で、少子化、高齢化、晩婚化で多様な家族形態が生まれるなど、社会の状況も大きく変化してきました。多様な家族形態が増えたとはいえ、供給される住まいの選択肢は決して多いとはいえません。家の機能性やデザインなど、スペック面での競争は激しさを増して、消費者が求める家への要望も高くなっています。賃貸住宅から脱出し、分譲マンションか建売住宅か注文住宅を選ぶ。所有することがゴールだという概念が前提で、その選択肢は増えているようだけど、物質的な差はそう大きくはないのでは。と考えます。私は、所有か賃貸かに関わらず、社会の変化や多様な家族のあり方に対応した、今までにない新しい住まいの形があってもいいのでは、と考えるようになりました。
数年前、“子育てがのびのびできる”をテーマに、
戸建賃貸住宅の企画、建築に携わりました。
子育ての期間をそこで暮らし、将来は実家に戻るという家族や、
転勤が多く定年までは賃貸でと考えているけれど
賃貸マンションやアパートでは物足りない。
という熟年の夫婦が入居しました。
家賃は高めの設定ですし、若い独身者を対象とするよりも
長く入居してくれるのでは、という期待もあり、
家主さんにはとても喜んでいただきました。
このような入居者は少数派だと言われていました。
しかし、これからは、持家率が圧倒的に高い親世代の
資産を引き継ぐことで、新たに購入する必要がない人、
住宅ローンの負担を避けて自由さを確保しておきたいと
考える若い世代が増えてくることが想定されます。
また、一昔前は高齢者が賃貸住宅を借り辛いことで、
老後の終の棲家を確保する必要もあったのでしょうが
近年は高齢者向け賃貸住宅も豊富に供給されていることで、ずっと賃貸で暮らすということも、選択肢の一つとなってくることでしょう。
標準的な家族形態、標準的な住まいの持ち方、
という既成概念が大きく変化しようとしているのが、
まさに今なのではないでしょうか。
そして、住まいのあり方と共に考えるようになったことは、
人との関わり方でした。
孤立は、高齢者だけの問題ではありません。
未婚率や離婚率の上昇で単身世帯は、どの世代でも増えています。
また、家族がいても孤立感を抱えながら暮らしている方も
いらっしゃいます。
一人でも生きていけるかもしれないけど、
誰かとつながっていたり、誰かから必要とされたりしてはじめて、
心豊かな暮らしができるのだと私は思っています。
例えば、一人になってからや高齢者になってから
共同生活を始めるのではなく、その前からでも、
家族ではない多様な人と関わり合いながら、
気負わないコミュニケーションを育んでいける環境が
あればと思っています。
北欧が発祥のコレクティブハウスという暮らしのスタイルを知り、勉強し、東京にあるハウスを見学したり、
先行して取組んでいる方々と話をする中で、
やはり未来に向けて必要とされている暮らし方だ、
と確信するようになりました。
いま全ての人にお勧めできる『住まい』
としてはハードルが高いかもしれません。
だからこそ、時間をかけてじっくり検討したり、
考えたりして欲しいと思います。