2018/03/13
住みかた、に焦点をあてて
世界の様々な生活スタイルをご紹介するシリーズコラム
「世界の住みかた」第2回目は中国の客屋に注目してみます。
世界遺産としても知られていて観光スポットである客屋、
のようですが筆者自身は存じ上げず、この写真をみた時
なんじゃこりゃ〜、、、@@と驚きました。
客屋、『キャクヤ』ではなくて『ハッカ』と読みます。
12世紀から20世紀に多くつくられた半径30〜60mの土楼集合住宅、
3〜5階建て、80家族以上が住める規模があります。
戦乱や飢饉を避けて南下してきた漢民族の住まい。
先住の民からみれば”よそからきたひと”、だったためその呼び名がついたそうです。
外壁は1〜2mもの厚みがあり、住まい自体が防護壁ともいえる強靭さとのこと。
※写真はすべて福建省の山岳地帯にある福建土楼
基本は、同性を名乗る一族が1つの建物に居住。
1〜2階は共用部分、円形の建物の中心には先祖を祀る祖堂があり
建物自体、キッチン、バスルーム、洗面所、倉庫などの施設は共有の資産で
3階以上の寝室は各室全く同様の広さで左右対称、優劣をつけず、
平等な区割りの設計になっているところが独特です。
共同体の住まいとしてのハードは現在のシェアハウス、コレクティブハウス
の参考にもなりそうな、おもしろい構造です。
客屋に住まう人々は、移住者ゆえ土地所有が難しく、
商業や流通業に従事することが多く、教育熱心で教職に着くものも多く、
中国のユダヤ人と呼ばれることも多いとのことです。
混乱のなかからうまれた共同体ゆえ、
様々な方法で一族を守ろうという団結意識が感じられる住まいです。
いつ自分の土地を奪われるかわからない、
流浪の民になるかもしれないという不安の多い混乱の世に
住まいを通じて人間関係を強固にすることで安住を守ろうとしたようにも思えます。
スタッフT
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