今の住まいでも不便はしていないけれど、もう少し広い空間がもてる家に引っ越せたらいいのになぁ、という願望がかなうのがコレクティブハウスです。
各住戸、一定の独立性は高めつつ、コンパクトな間取りプランにおさめ、その代わり捻出できた余裕はコモンスペースに。気の向くまま集う、みんなで食べる、子供の自由な発想が生まれる、居住者同士のミーティング、仕事をはかどらせる、、、時間帯によって表情を変える広い空間。住民の様々な生活スタイルを支援し、ひとりひとりの思い出を刻む場として活用されることでしょう。
世の中便利になって、ひとりごはんも気軽に済ませることのできるツールや選択肢はいくつもあります。でも、何か足りない。みんなで食べるとどんなものでも、いつもよりちょっと美味しかった、そんな経験がある人、少なくないのではないでしょうか。
コモンスペースで開かれるコモンミールは、居住者で食を共有する大切な時間です。方法や頻度は話し合ってできる範囲で。そして助け合って自然にできるだけ美味しく健康に。作る人の気持ちがわかるから、感謝して「いただきます」。住民同士の交流は食を通してより意味深いものになるようです。
大きな食洗機では、一度に沢山の食器を清潔にできます。大きな洗濯機や乾燥機、広い物干し場は、忙しい毎日で家族が多くても効率良く洗濯仕事ができます。生活に便利なツールを共有にすることで、一世帯ではなかなか所有できない家電製品をいつでも利用できる。メンテナンスも、共有だから負担になりにくい。
楽になって余った時間は、自分のために使えます。そして、効率的な家事でエネルギーを節約できれば、地球に優しい生活になるはず。自分のために、居住者のために、その先に地球のために。一人ではできないみんなへの貢献、コレクティブハウスで暮らす仲間となら気軽に、笑顔で一歩前進できるかもしれません。
子へ孫へ引き継がれる生活の智慧、普段意識していないけれど大人になってからふとした瞬間に生きるもの。親でも先生でも上司でもない人からの言葉、思いの他自分を動かす瞬間がある。「一人では生きられない」という言葉には頼りなくさみしい雰囲気も漂いますが、様々な人生が”偶然”重なって自分が出来上がった、と言うとなんだか豊かです。
コレクティブハウスでの暮らしは、偶然なのか必然なのか分からないけれど、共に暮らすことになった人々の生きる時間=人生が重なる暮らしです。家族でもない、兄弟でもない、同僚でも、チームメイトでもない、自立した他人同士のゆるやかな繋がりの中で、それぞれの時間が偶然共有される新しい暮らしかたがココにはあります。
「いってきます」から1日がスタートし、「ただいま」でONからOFFに切り替わる。毎日のそんなささいなこと、ですが「いってらっしゃい」や「おかえりなさい」が聞こえる住まいの温かさは人生を豊かにするような気がします。
誰かがそばにいる、そのことがストレスになるコトもきっとある。ただ、誰かが居てくれるありがたさも身に沁みる、この何年かの日本の未曾有の出来事に直面した時に、そんな思いをして、ハッとした経験がある人も多いのではないでしょうか。SNSでの「いいね」も嬉しいけれど、いいね、よくないね、ダメだよ、うれしい、ありがとう、ごめんなさい、、、など様々な言葉が声で交差する毎日も、きっといいね。
「規定、契約ですのでご了承ください」という言葉に少し疑問を持ちながら、しょうがない、と了承している事柄は考えてみれば多いものです。でもそのルールは誰が決めたもので、誰のためのものなのでしょう?
コレクティブハウスでは、住まうルールを居住者全員で決めます。基本多数決ではなく、みんなが納得するまで方法を考えます。現状にそぐわなくなったら変更することも。全員のことだから、全員がよく考えて、答えを出す。このプロセスは普通の賃貸住宅、分譲住宅に住まう場合は人任せになってしまう部分が多いのが現状。楽して疑問が残る、愚痴が出る、コレクティブハウスならこれを考えて納得して快適に過ごす、にシフトできるかもしれません。